- しお
- I
しお【入】助数詞。 布を染めるとき, 染料に浸す度数を数えるのに用いる。 古くは, 酒の醸造のとき, 酒を醸(カ)む度数にもいう。II
「千~(チシオ)」「紅の八~の衣/万葉2623」「船ごとに其の八~折の酒を盛りて/古事記(上訓)」
しお【塩】〔「潮」と同源〕(1)しょっぱい味のする白い結晶。 塩化ナトリウムを主成分とする。 人体の生理上不可欠のもので, 工業的にも重要物質。 食塩。(2)塩の味。 しおけ。「~がきつい」「~をきかす」
(3)(比喩的に)世の中の苦労。「お鈴も浮世の~知らず/薄命のすず子(お室)」
~が浸(シ)・む世の中の苦労を経験する。「前方はちつと道楽だつけが, 今では~・みたか/滑稽本・浮世風呂2」
~をする調理する前の魚や野菜に塩をふりかける。 塩をまぶす。~を踏・む世の中に出て苦労を重ねる。III「~・ませて人にしや/浄瑠璃・卯月の紅葉(中)」
しお【潮・汐】(1)月および太陽の引力によって, 海水が周期的に満ちたり引いたりすること。 うしお。「~が満ちる」「大~」
(2)物事をするのにちょうどよい時期。 しおどき。「それを~に席を立つ」「之を~に…庭の方へ走出(ハセイズ)るに/鉄仮面(涙香)」
(3)愛嬌(アイキヨウ)。「尼崎とは海近く何故にそなたは~がない/浄瑠璃・五十年忌(下)」
(4)江戸時代, 大坂新町の遊女の階級で, 鹿恋(カコイ)の次, 影の上の位。「三五以上の月の顔, さす~影の訳もよき/浄瑠璃・寿の門松」
〔「潮」は朝のしお, 「汐」は夕べのしお〕~がさ・す潮が満ちてくる。 上げ潮になる。~が引・く(1)引き潮になる。(2)(「潮が引くように」の形で)集まった人々がみるみる散っていく。~ならぬ海(ウミ)淡水湖。 特に琵琶湖をさす。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.